常念山脈(長野) 常念岳(2857m) 2023年8月19日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:49 駐車箇所−−0:57 林道終点−−1:08 山ノ神−−1:17 古池−−1:46 大滝−−2:28 笠原沢−−3:10 最終水場−−3:52 常念乗越−−4:54 常念岳 6:15−−6:55 常念乗越−−7:13 最終水場−−7:39 笠原沢−−8:07 大滝−−8:24 古池−−8:29 山ノ神−−8:33 水浴び 8:37−−8:41 林道終点−−8:46 駐車箇所

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2023年8月19日 日帰り
天候薄曇
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場「公式駐車場」より先にも林道沿いに駐車余地あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば文句なしの大展望
GPSトラックログ
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コメントお盆休み直後の週末に常念岳へ。天候は良かったが通常の週末よりすれ違った人数は少なかったのは意外だった。東方面の空気の透明度はイマイチだったが南は良好で、南アルプス深南部の黒沢山まで見えた


常念岳山頂から見た蝶ヶ岳。たくさんのテントと山頂の人が見える。常念岳より確実に多そう(笑)


林道終点 山ノ神。例年より水が少なかった
古池 大滝。私の足ならここまで1時間
最終水場。正確な標高は2200m 安曇野市街地の夜景
常念乗越 テントの明かり
常念岳を目指す登山者の明かり 槍穂稜線の小屋の光が見えた
常念岳山頂 常念岳山頂。まだ日の出前
雲が赤く焼ける 雲の上から日の出
常念岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
常念岳から見た南アルプス(クリックで拡大)
常念岳から見た朝焼けの槍穂
常念岳から見た立山、剱岳
常念岳から見た後立山
常念岳から見た木曾御嶽、乗鞍岳
常念岳から見た八ヶ岳
常念岳から見た富士山 常念岳から見た白山
常念岳から見た浅間山。湿気が高いため水蒸気が見えている 常念岳から見た恵那山
常念岳から見た蝶ヶ岳ヒュッテと蝶ヶ岳 常念岳から見たヒュッテ西岳
常念岳から見た穂高岳山荘 常念岳から見た北穂高岳
常念岳から見た三俣山荘 常念岳から見た大天井岳と大天荘
常念岳から見た燕岳と針ノ木岳 常念岳から見た焼山、火打山
常念岳から見た槍ヶ岳と槍ヶ岳山荘。槍の穂先に人が見える
イワギキョウ 下山開始
前常念岳に続く稜線 ミヤマホツツジ
ミヤマダイコンソウ テント場
早くも色づき始めたウラシマツツジ トウヤクリンドウ
イワツメクサ 見上げるとかなりの傾斜
たぶんミヤマママコナ たぶんミヤマコゴメグサ
常念乗越 常念乗越から一ノ沢を見下ろす
ウメバチソウ オヤマリンドウ
オトギリソウ タカネヨモギ
アオノツガザクラ ネバリノギラン
カニコウモリ ハクサンオミナエシ
ヤマハハコ 最終水場。水は細い
今年初のゴマナ たぶんミヤマアカバナ
ミヤマタネツケバナ ミソガワソウ
オオバミゾホオズキ ヤマガラシの種
ヤマガラシの花 グンナイフウロ
トリカブト 分かりにくいがキオンの群落が斜面を彩る
ソバナ センジュガンピ
チョウジギク ハンゴンソウ
ミヤマアキノキリンソウ 更新された梯子
葉の形状からイヌヤマハッカと特定 ヨツガヒヨドリ
たぶんクルマムグラ ズダヤクシュ。咲き残りを探すのに苦労した
大滝。例年より水が少ない コバノイチヤクソウは花が終わって実になっていた
古池 キンミズヒキらしい
山ノ神 帰りは沢で水浴び
ツリフネソウ キツリフネ
林道終点 ヤマハギ
早くも稜線に雲がかかり始めた 駐車余地


 お盆休み後の週末は大気の状態が不安定ながら午前中は天気が持つ予想であり、毎度のように日の出の時刻に山頂に到着するようスタートして早々に下山すれば雨に降られる可能性は低いであろう。2日前に日帰りで爺ヶ岳往復したばかりであり、まだ体力は完全回復していない状態。本来ならば大天井岳か鹿島槍ヶ岳でもと考えるのだが、体力的に無謀なので今回は常念岳とした。

 久々に今年初の一ノ沢林道へ。金曜夜であるが会社がお盆休みの人は結構いるようで、林道の駐車場は半分以上埋まっている。それでもいつも利用する事実上最も登山口に近い駐車余地には車は1台だけだった。夜でも気温は高く寝苦しかったが、睡眠時間は4時間程度確保できた。

 日の出に間に合うよう午前1時少し前に出発。驚いたことに夜中0時に下ってきた人がいたが、計画的にこの時間に降りてきたのか、何らかのトラブルで遅れたかは不明である。頭上は満天の星空で天気は申し分ないが、夕方まで降っていた雨がまだ木の葉に付いたままで、時々頭上から落ちてくる。まさか雨かと思ったがそんなことはなかった。

 林道終点から登山道へ。今年は渇水なので一ノ沢コースで登山道に水が流れ込んでいる区間の水量は減っているだろうと期待したがその通りで、山ノ神前はほとんど水が流れていなかった。ここは近年ではいつも水浸しであった。その後も水の流れは少なく、防水性能がほぼ無くなった劣化した登山靴でも浸水はなかった。笠原沢、一ノ沢本流上流部の水量もこの時期としては初めて見るくらい少なかった。

 最終水場で水が出ているか心配だったが、細いながらちゃんと出ていたので補給。ジグザグにシラビソ樹林帯を上がる登山道ではかろうじてカニコウモリの花が残っていた。常念乗越が近付くと常念岳を目指す登山者の光が見えた。この頃には星空が少なくなり上空には薄い雲が出てきたようだ。

 常念乗越に到着。テントの明かりと常念岳に取り付いている登山者の明かりがいくつもあった。こちらも登りの明かりの中に混じる。先行しているのは見える範囲で10人くらいいそうで、振り向けば大天井岳方面に明かりが一つだけ見えていた。

 大きめの石が積み重なった斜面は歩きにくいし暗闇の中ではルートが分かりにくいが、何度も歩いたルートなので問題なしで昼間と同じスピードで上がっていく。当然ながら先行している登山者は常念小屋宿泊者か幕営者のはずだが、いかにも軽装で山頂往復と思われる人を追い越す羽目になるとは思わなかった。体力的な面よりも暗闇を歩いている影響が大きいだろう。

 徐々に周囲が明るくなって東の空が焼けてきたが、今日は雲の高さが高くて志賀高原の山々は全く見えず、当然ながら奥日光の山も見えなかった。でも南方面の視界は良く、八ヶ岳、富士山、南アルプスは見えていた。

 かなり山頂が近付いた時点でライト不要な明るさになる。既に山頂に到着した人の姿が見えている。珍しいことにこんな時刻に三股方面から上がってきた人がいたのには驚いた。私と同じくらいの時刻に出発しないとこの時間に到着しないはずだ。

 最後の一登りで常念岳山頂に到着。先客は5,6人で思ったよりは多くない。まだ日の出前だが東の空は雲が覆っているので日の出は少し遅くなりそうだ。志賀高原の山々は靄で見えないが浅間山だけははっきりと見え、珍しくも山頂から噴煙が上がっているように見える。実際に出ているのは噴煙(火山灰)ではなく噴気で水蒸気が主成分なので、今日のように湿度が高い日は煙のように湯気が立ち上って見えるのだろう。

 南側は東よりも視界が良く、今日は南アルプスの鳳凰三山から中央アルプスのすそ野に隠れるぎりぎりの南ア深南部の黒沢山まで雲海上から頭を出していた。おまけに久々の恵那山の平らな山頂が見え、その右手には木曾/飛騨境界の奥三界岳、井出小路山などが見えていた。さらに右には木曾御嶽。近場の北アルプスの山々ははっきりと見えており、乗鞍岳、霞沢岳、明神岳、穂高、槍、裏銀座、大天井岳、燕岳、立山、剱岳、後立山と延々と山並みが続く。今日は北信の山も姿を見せていた。

 山頂は入れ代わり立ち代わりに登山者がやってきては記念写真を撮影し、蝶ヶ岳方面へ向かったり常念乗越へと戻っていったりした。ほぼ無風、快晴で天候に恵まれているが、これは日の出直後のこの時間帯だからであろう。大気の状態が不安定で、おそらく今日は午前の早い時間帯からガスが上がってきて稜線の展望は無くなってしまうだろう。今年はお盆を過ぎてもまだ異常高温が続いているが、長期予報では秋まで高温が続く予想となっていた。昨年は11月いっぱいまでほぼ無雪のまま北アルプスを歩けたが、下手をすると今年は昨年以上に晩秋でも温かく雪が無いかも。

 1時間ほどの休憩で下山開始。常念岳は元々花の数も種類も少ないが、この時期の稜線ではトウヤクリンドウくらいしか見当たらず、ミヤマキンバイもミヤマダイコンソウももうおしまいだ。常念乗越へと下っていくとまだまだ登ってくる人が多いが、この時間帯だと私のような日帰りの人が含まれているかもしれない。下りの人もいたが何人か追い越した。岩の多いルートの下りではペースが遅くなる人が多いのも当然だろう。

 でもこの岩場でストックを使う人が多いこと! こんな地形ではストックを安定して置ける場所が少なく、見るからに危なっかしい足取りの人がいる。ストックを収納して岩を掴みながら登った方が安全に思えるのだが。ストックを使わない人間から見ると惰性で使っているだけに見えてしまう。使っているというよりも使われている感じだ。

 常念乗越まで下ってくると、例年ならこの時期にコゴメグサ、ママコナが咲いているはずなので探してみると今年もあった。これらの花は背丈は低いし小さいしで注意して探さないと見つからない程度のもの。ハクサンオミナエシも見られるはずだが既に花は終わって種になっていた。

 常念乗越に到着。往路よりテントの数は減っているがまだあった。これらの住人は常念岳を往復しているか、逆方向の大天井岳往復であろう。見下ろす一ノ沢は雲はなく良く見えていて帰りは暑そうだ。一ノ沢方面へ降りてすぐの場所には咲き残ったアオノツガザクラあり。例年見られるエゾシオガマは終わっていた。

 樹林帯を下っていくと登りとのすれ違いが多くなるが下りの姿もチラホラと。お泊り装備なので日帰りの私よりもザックが大きく、どんどん追い越していく。最終水場付近で花をチェックするとミヤマアカバナとミヤマタネツケバナ、オオバミゾホオズキ、ミソガワソウ、ヤマガラシが見られた。

 左岸高巻道がこのルートでは最も花が多い場所であるが既にピークを過ぎてしまっていた。それでも今年初のグンナイフウロを見られたのは収穫。私が良く登る北アの中ではここでしか見られないセンジュガンビの白い花も見られた。まだ木の階段が濡れて滑りやすいので胸突き八丁の下りは慎重に下った(以前、ここでコケてケガした経験あり)。胸突き八丁の標識がある場所ではチョウジギクが咲いていた。

 この先もすれ違いはそれなりにいたが、感覚的には通常の週末よりは人数は少なかったと思う。多い時には数100人くらいすれ違うことがあるが、確実にそれより少なかった。一ノ沢のすぐ近くに沿って下っていく区間では秋の花であるゴマナ、キオン、ハンゴンソウ、ミヤマアキノキリンソウなどが多く見られた。沢から離れて樹林帯を下る区間ではコバノイチヤクソウが咲いているはずだが、残念ながら時期が遅すぎて花は終わって実がなっていた。ズダヤクシュは少ないながらまだ花を付けている株があった。この花は初夏の頃から咲いているのでずいぶんと息が長い。

 今日は下りでかなり汗をかいたので、山ノ神を通過して次の沢が接近したところで登山道を離れて沢に上がって水浴び。このコースでは私の定番の水浴び場所である。

 登山道に戻って林道終点に出ると出発したタクシーあり。おそらく下山した客を乗せたのだろう。道路脇の駐車余地には往路では見られなかった車が増えていた。私が利用した駐車余地は車が2台増えて4台に。これがここでの通常のキャパシティーである。

 着替えて車を走らせると公式駐車場付近で路側駐車は見られなかったので、やはり通常の週末よりも入山者は少なかったようだ。暑い下界から常念岳方面を振り返ると稜線は雲に覆われて見えなくなっていた。

 

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